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朱蜘蛛(あかぐも)

燥一郎の通り名。常に朱色の打掛を羽織っていることと、『白梅廊』を掌握し利宋から離反するに至るまでの手腕からそう呼ばれるようになった。目に見えぬ人間同士の繋がりという網を張り巡らし、獲物がかかるのを待ち伏せるその手口はまさしく人の意(緋の糸)を操るものであったと言われる。

朱蜘蛛事件(あかぐもじけん)

燥一郎がその名を下都中に知らしめた事件。表向きは『白梅廊』の協約異反を探りあてた利宋がこれを潰し『桃源楼』に吸収しようとした所を、当時『桃源楼』の若衆頭だった燥一郎が『白梅廊』内部の者と示し合わせ、反利宋派を率いて『白梅廊』を奪取。新勢力として立った事件と記録されている。

彩牡丹(あやぼたん)

下都の巽区一体を牛耳る一党。遊廓は陰間専門という特殊な一派で、くきのという下都勢力唯一の女性党首がこれを率いている。

昇陽(いづるひ)

東西の二大陸に挟まれた海の中心にある小さな島国。最初に“神”が現れた地と言われ、この島から人や技術が大陸へと伝播していったとされているが、長らく文明はある一定レベルで停滞している。他国との国交もある程度はあったらしいが、閉鎖的な環境ゆえに排他的な風潮が強く、婆娑羅衆が現れてからは完全な鎖国状態にあった。封印∴ネ後は消えた『央都』以外の国土全体を指しての名称となっている。イメージモデルは日本の鎌倉時代初期(ただし『都』の下都は安土桃山後期に近い)。小柄な体型に黒髪・黒目が基本。男尊女卑の気風が強い。

有相&無相(うぞう&むぞう)

八佗の式≠ナある二頭の白い象。白く長い体毛と六本の牙を持つ。見た目は全く同じで、区別は八佗にしかつかない。八尺瓊の式≠ルどレベルは高くないが、鉄忌への攻撃力だけならば互角。偏屈な主の八佗よりも『昇陽』の民からは親しまれているが、過去に罰として「遊ばされた」白戯だけは恐怖の対象としている。

上都(うえのみやこ)

『央都』のころから存在する貴族と平民の居住区別の名称、その貴族側の方をこう呼ぶ。武士十家によって入り口となる五つの大門は厳重に警備されており、下都の者が許可無く立ち入ることは禁止されている。そのため封印′繧煌X並みに大きな変化は見られない。

央都(おうと)

『昇陽』の首都で、帝のいる場所。封印′繧ヘ単に『都』と呼ばれる。

大井山(おおいやま)

『癒城』より北東に位置する山で、現在閻王の住処となっている野狂洞がある場所。かつては奉家が皇家より預かった鉱山として採掘が行われていたらしいが、作中ではすでにそれらは廃坑扱いとなっている。

折れた簪(おれたかんざし)

久暁が髪に挿している装飾。黒漆を塗った表面には「不醒」の字が刻まれている。元々は実母たる阿頼耶の持ち物で八色の黒≠フ武器なのだが、彼女が任務にあたっている際に破損した。久暁にとっては唯一の形見である。



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