【 第一章 常夜の都 】


     <序>――鳴り止まぬ音。全てが変わる刹那の時に、彼の者は理を悟った。

第1回 <常夜>――太極月の夜に墜ちた異形。"鋼の悪鬼≠狩るために、今宵も"赤鬼≠ェ剣を振るう。

第2回 <黒狗山>――此処ではあるが其処ではない場所。垣間見る記録に、統べる者は心を乱す。

第3回 <茫蕭の禍>――全てが変わるまでの軌跡。守るために、誰もが忘却に身を委ねる。

第4回 <疫病神>――それは日常茶飯事の大騒動。能天気の到来に、平凡な平穏は失われる。

第5回 <朱蜘蛛>――謎の言葉は警鐘の前兆。彼の者はその顔に、かつて見せた面影を被る。

第6回 <坤の主>――仇敵は疎ましき過去の因縁。見えない利害に、彼らは腹を探り合う。

第7回 <昏い陽炎>――嗤いを掻き消す帰還。錯綜する想いに、赤銅色の背は沈黙する。

第8回 <楝太夫>――睦み合うは仮初の夫婦。互いに踏み込まず得た幸せに、そっと不安の影が差す。

第9回 <彫金師>――求めるは命の有無。約束を盾に、全てを知る男は彫金師へ問いかける。

第10回 <密使>――吉兆来たるも目前には蜘蛛。揺らめく炎を手に、麗人は哀しく立ちはだかる。

第11回 <枳>――最後に残す言葉。ただ愛しき人に、幸あれと願い鬼は微笑む。

第12回 <離別への路>――忘れられぬ空気。その道行きは彼に、逃れられぬ運命を暗示する。

第13回 <悲願>――待ちわびた問いかけ。統べる者を前に、鬼子は全てを語り始める。

第14回 <逃走劇>――逃げ場なき迷走。拒絶と疑念に、救いの手は届かない。

第15回 <欠失>――酔夢の世界との別れ。月を仰ぐ者に、消失のしるべは微笑で応える。

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