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儚人(はかなひと)

八尺瓊や八佗、燥一郎らが久暁を指して言う呼称。一般人とは異なる特徴をいくつか持っているが、それらが何の為に存在するのかは謎に包まれている。八尺瓊曰く「塵芥」、八佗曰く「常人と変わらないただの人間」。
現時点で判明している特徴は以下の通り。

@極端に体温が下がると、謎の紋様が浮かぶ。
A生存本能は強いが、同時に自己消滅願望を持つ。
B男性でも女性でもない、無性である。
C必ず世界に一人は存在し、今代の者が死ねば何処かの地にて次代の儚人≠ェ生まれる。
D儚人≠ェ現れた国は滅ぶという伝承が世界各地にある。(八佗は何の根拠もない迷信だと否定している)
E寿命が非常に短く、自然状態であっても三十年ほどしか生きられない。
F母親の胎内にあるうちに儚人となる事が決定され、身体が作り変えられる。ゆえに生まれるまでの妊娠期間が長く、およそ五百日ほど要する。
G自らの身体を害なす物に、強い拒絶反応を示す。酒・煙草といったものでも、微弱な毒物性を含んでいれば一切身体が受け付けない。また自らの意志による自傷行為も妨げられるため、自殺もできない。

白梅廊(はくばいろう)

『火燐楼』以前に艮区を支配していた勢力。燥一郎による朱蜘蛛事件≠ノて解体、『火燐楼』となる。以前の党首は燥一郎に追い詰められ、最終的に下都の党首会談で抹殺された。

婆娑羅衆(ばさらしゅう)

『砂螺』の黒砂漠の民から発生した凶賊集団。各地を渡り歩いてはその度に仲間を増やし、あらゆる土地で略奪を重ねた。婆娑羅衆とは『昇陽』での呼び名にしか過ぎず、土地によって呼称も様々。手口は荒々しく手段を選ばず、中でも攫った美女美男をことごとく無残な形で犯し殺す様が最も怖れられた。『昇陽』でも悪逆の限りを尽くしたが、八色の黒≠フ計略にかかり首領は重傷を負い、彼を見限った者達は次々と離反していった。わずかに残った者も茫蕭の禍≠ノより消え失せ、婆娑羅衆≠ヘ名だけを残し完全に壊滅してしまった。

平沙川(ひらさがわ)

上都と下都を分断する、黒狗山から流れ込む川。『都』の水源として、武士十家の浅葱家による厳重な警備態勢が布かれている。

封印(ふういん)

『茫蕭』から『昇陽』を守るために左大臣がとった最終手段。国の中枢であった『央都』のみを丸ごと別空間に転移した術。しかし扱いが難しいゆえに『央都』のあらゆる物が消失し、太陽の昇らぬ常夜の世界となってしまった。

武士十家(ぶしじゅっか)

『昇陽』を守護する十の武家の総称。この国の軍事面を一挙に担っており、帝の直属となっている。帝から色彩に則った姓を与えられており、貴族以外で唯一姓を名乗ることを許された人々でもある。それぞれの姓と封印¢Oの担当地域、現状は以下の通り。
二藍(ふたあい)…西沿岸警備・対『茫蕭』戦に参加、『癒城』守護
山吹(やまぶき)…地方警備・対『茫蕭』戦に参加、白巳女帝の近衛となる
蘇芳(すおう)…地方警備・対『茫蕭』戦に参加、白巳女帝の近衛となる
卯乃花(うのはな)…『央都』警備・対『茫蕭』戦に参加
縹(はなだ)…西沿岸警備・対『茫蕭』戦に参加
浅葱(あさぎ)…『央都』警備・封印′繧熨カ続
黄櫨(こうろ)…帝の近衛兵・封印′繧熨カ続
東雲(しののめ)…帝の近衛兵・封印′繧熨カ続
千草(ちぐさ)…東沿岸警備・茫蕭の禍≠ノより滅ぶ
刈安(かりやす)…東沿岸警備・茫蕭の禍≠ノより滅ぶ

茫蕭(ほうしょう)

東大陸にあった小国。物語から遡ること三十二年前に謎の滅亡を遂げる。イメージモデルは蒙古。一面の草原が広がる国であったが、滅亡と同時に焦土と化し、わずかな生存者は流民となって他国へと逃れていった。他国からは草っ原だけで何の価値もない土地と思われていたので、人の行き来も少なく、そのため滅亡したとしても当初は誰もそうと気付く者がおらず、滅亡前の様子を伝える資料にも乏しい。

茫蕭の禍(ほうしょうのか)

東大陸の小国『茫蕭』による侵攻を受けた、『昇陽』の歴史的事件。これにより危機に陥った『昇陽』は左大臣の独断で『央都』のみを隔離する事になった。二十七年を経ても膠着状態は続き、『茫蕭』の名を掲げる者とは何者か、なぜ『昇陽』に攻撃を仕掛けてきたのかも謎のままである。



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